人の「見える」

人の「見える」に関する雑学をご紹介します。
Q「利き目」って知ってる?

A

箸を持つ、字を書く、ボールを投げるといった動作をするとき、「利き腕」を使いますね。実はあまり意識することはありませんが、目にも「利き目」というものがあります。そして人によって「利き目」は違うようです。両手を大きく前に出して両手の親指と人差し指で三角をつくり、その三角のなかに遠くの目標物をいれて見てください。(このとき両目は開けたままです)次に片方ずつ目を閉じてみて、目標物が大きくずれないで見えるほうが「利き目」ということになります。「片目で狙いを定めるとき」や、「カメラのファインダーを覗くとき」など、無意識に「利き目」を使っているはずです。

Q起きている間に目やにがでないのは、なぜ?

A

目はまばたきをすることで新しい涙と入れ替わり、古い涙をゴミや粘液と一緒に目頭にある「涙のう」というところに流します。
しかし、寝ている間はまばたきをしないため、涙の入れ替わりがないので水分だけが蒸発し、目やにとして残ります。

Q赤ちゃんが泣いても涙が出ないのは、なぜ?

A

人は、生まれた直後はまだ脳の発達が十分でないため、精神的・情緒的な興奮がなく、そのため涙は出てきません。生後3ヶ月までの赤ちゃんは、目を守るための涙の分泌は絶えずありますが、角膜や結膜にある神経が十分に発育していないために、まぶたや角膜が刺激されることによって起こる反射性の涙もありません。

Q煙が目に入ると涙が出るのは、なぜ?

A

煙は、空気中に浮いている固体とガス体の集まりです。煙のつぶ(粒子)が、目にゴミが入るのと同じように、目を刺激するのです。また、ガス体に含まれる有毒ガスが目に害を及ぼす、化学的な刺激もあります。このように、目が刺激されることによって流れる涙のことを、反射性分泌といいます。

Q涙がしょっぱいのは、なぜ?

A

涙は、人間が排出するものの中で、一番きれいなものです。成分は98%が水で、その他、ナトリウム、カリウム、アルブミン、グロブリンなどのほか、0.5%のタンパク質が含まれています。涙をしょっぱく感じるのは、ナトリウムが含まれているからです。

Q人にまゆ毛やまつ毛があるのは、なぜ?

A

まゆ毛は、額の汗や水が眼に入らないようにし、目の横に流すようにする役割があります。まゆ毛のはえている部分には、脂を出す皮脂肪線がたくさんありよく水をはじき、汗が目に入らないしくみになっています。まゆ毛は大体、左右合わせて1,300本あります。また、まつ毛は、ほこりが角膜や結膜にあたるのをふせぎます。まつ毛の毛根の周囲には知覚神経が集まっていて、ほこりが、触れると敏感に感じとって、自然にまぶたを閉じて目を守ります。まゆ毛もまつ毛も、大切な目を守るために大切な役割をしているのです。

Q人によって色の好みが違うのは、なぜ?

A

人間が色を感じるのは網膜という場所で、約100万の色を区別できるといわれています。しかし、私たちは色を見て単にその色を区別しているだけではありません。たとえば、赤い色を見ると、血、火事、太陽を連想し、危険、情熱、怒りなどを感じます。もっとも、この感覚も時代や文化によって変化し(アメリカでは太陽を黄色と感じます)、好みの色も人、年齢によって違ってきます。ある調査によると、日本人は成長するにつれて好みの色が異なってくるそうです。つまり、幼稚園児では、赤紫、紫、小学校3年生では、黄、だいだい、中学生では黄緑、緑、青年では、緑、青、青紫、そしてそれ以上では,紫を好む人が多くなるといいます。成長につれて標準12環色の色彩環を右まわりする傾向があるようです。

Q暗闇でもだんだんと周りが見えてくるのは、なぜ?

A

明るいところから急に暗いところに入ると1分間ほど何も見えなくなります。そして、およそ4~5分すると少しずつ周りが見えるようになります。これは、明るいところにいるときは、「瞳孔」という光の量を調節する場所が小さい状態にあり、この状態のまま、急に暗いところに入ると光の量が足りなくなるためです。暗闇に慣れてくると、瞳孔が開いて少しずつ回りが見えるようになります。暗闇の中で目が完全に働き出すのには1時間ほどもかかるそうです。暗闇で目を慣らすには、自然に目を慣らすよりも、両目をグッとつぶって、それから開いたほうが早く慣れるといわれています。

Qまつ毛の長い人と短い人がいるのは、なぜ?

A

日本人のまつ毛の長さは外国人と比べて短く、10mmくらいで、まっすぐ生えている人が多いようです。しかし、なかには15mmくらいの人がいます。まつ毛が長いと、ほこりなどの侵入を防ぎやすくなります。例えば、砂ぼこりの多い砂漠にいるラクダなどはたいへん長いまつ毛を持っていますね。日本でも、アレルギー体質の人に長いまつげの人が多いという説がありますが、医学的には立証されていません。

Q眠いときに目をこするのは、なぜ?

A

眠りにつく前から、涙をつくる涙腺は、涙の量を減らしています。そのため、眠くなると目がしらがショボショボして、目をこすって眠気をまぎらわそうとすることになります。朝起きたときも同じ理由で目をこするのです。

Q嬉しい時、悲しい時に涙が出るのは、なぜ?

A

涙腺は、「三叉神経」「交感神経」「副交感神経」の3つの神経の支配を受けています。嬉しいとき、悲しいときは副交感神経が働き、薄い水っぽい涙が出ます。悔しいときや腹が立つときは交感神経が働き、しょっぱい涙が出ます。

Q一重まぶたと二重まぶたがあるのは、なぜ?

A

まぶたの下の脂肪が厚くてふっくらしている人が一重まぶた。まぶたの下の脂肪が少なく、たるみができてしまう人が二重まぶたとなります。目を保護するというまぶたの本来の目的からすれば、一重まぶたの方がいいわけですね。

Q外国人と目の色が違うのは、なぜ?

A

人間は、人種によって目の色が違います。私たち日本人の目は黒色ですが、外国人には青色や緑色の人もいます。どうして外国人と目の色が違うのでしょうか。
私たちの目には、目の中に入ってくる光の量を調節する「虹彩」という部分があります。そして、目の色は、この虹彩の色なのです。日本人は、虹彩の色が黒いので、目も黒色になります。
虹彩の色は、メラニン色素と呼ばれる黒茶色の色素の量で決まります。このメラニン色素が多いと黒い目、少ないと茶色や青い目になります。つまり、白人はメラニン色素が少ないので目が青っぽく見え、日本人はメラニン色素が多いため黒っぽい目に見えるのです。
このメラニン色素は肌の表面や目に多く存在し、太陽光線に含まれる有害な紫外線から肌や目を守る役目をしています。メラニン色素の量が少ない白人は、虹彩の色が薄いため、黒目の日本人の2倍も光をまぶしく感じてしまいます。外国人が、いつもサングラスをかけているのは、そういうわけなのです。

Q子供ってどれくらい視力があるの?

A

あなたが赤ちゃんの頃、ものを見えていたかどうか覚えていますか?生まれたばかりの赤ちゃんから、いったいどれくらいの月日がかかって目がきちんと見えるようになるのでしょうか。昔を思い出しながら確認しましょう。

生後1ヶ月 光の明暗がわかります。目の前で動くものがわかります。
生後2ヶ月 視力0.01、色の違いがわかります。
生後3ヶ月 視力0.02
生後3ヶ月 動くものを目で追います。
生後6ヶ月 視力0.04~0.08
生後8ヶ月 視力0.1
1歳 視力0.2
1歳6ヶ月 視力0.4
2歳 視力0.5~0.6
3歳 3分の2が視力0.7
4歳 70%以上が視力1.0
5歳 80%以上が視力 1.0
6歳 ほぼ全員が大人の視力(1.0)にまで発達します。

成長段階には個人差があります。

このように、大人と同じ視力になるには、ほぼ7年かかっているのです。子供の目は常に成長を続けているので、この時期に目に何か問題があったりすると、その後の視力に大きな影響をおよぼす場合があります。目はとてもデリケート。大切にしたいですね。