4つのよく「見えない」状態
近視とは?
水晶体の調節を休ませた状態で、光が網膜より手前で像を結ぶ状態のことを「近視」といいます。近視の人は、遠くのものに対してきちんとピントが合っていないわけですから、遠くがぼやけて見えます。
近視は、眼軸(角膜から網膜までの長さ)が正常より長すぎるか、角膜・水晶体で光が強く曲がり過ぎるために起こります。
軸性近視
眼軸の長さが正常より長いために起こります。
屈折性近視
角膜・水晶体で光が強く曲がりすぎるために起こります。
近視は別に病気ではありません。今の日本は、3人に1人が近視と言われているほど近視の人が多いのですが、近視は、身長が高いとか、体重が重いなどと同じ、体の特徴といっていいでしょう。
近視は小学校高学年から増え始めて、中学・高校と増えていきます。このように成長とともに生ずる学齢期の近視を、「学校近視」ともいいます。子どもの目は角膜や水晶体のカーブが成長とともに変化するので、近視になる子がでてくるのです。近視の原因はよく分かっていませんが、遺伝的な原因と環境的要因が絡み合っているようです。
遠視とは?
遠視状態
光が網膜の後方に結像します。
水晶体の調節を休ませた状態で、遠くから入ってきた光が、網膜よりも後ろでピントが合う状態のことを「遠視」といいます。遠視の人は、近くのものを見る時も遠くのものを見る時にも水晶体のピント合わせの力を必要とするので、目が疲れやすくなります。
乱視とは?
乱視の見え方の例
乱視は目に入る光が一点に結像しないために、ものがダブって見える状態のことを「乱視」といいます。角膜の形に歪みがあるため、光の屈折力が方向によって異なることによりおこります。ほとんどの人に軽い乱視があります。
老視とは?
「人の老化現象は目から」と言われています。一般に40代頃から水晶体の弾力性が低下して調節力が弱まることにより、近くのものを見たり小さい字を読んだりすることが困難になることを「老視」といいます。老視は誰にでもやってくるのです。近くを見る時にたくさんの調節力を必要とする遠視の人の方が、近視の人よりも老視を早く自覚するようです。